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ことばをあじわう_vol.1 を、あじわいます。

 

 

 

ことばをあじわう_vol.1 終了いたしました。

 

いつかやってみたいと、長い間、あたためていた企画でした。

そして願わくば、参加する側に、あじわう側に..まわりたい、と何度も思いました。

 

詩的で美しく、独自の世界観を表現し、素晴らしい会へと昇華していただいた、

浅岡千里さん、コーヒーカジタ 梶田智美さん、カトウユカリさん、bonnieux(ボニュ)さん、

なのさん、石原ゆきえさん、に、心から感謝いたします! 

より良いものつくりたいという気持ち、集中力、日々の隠れた努力に、本当に感激しました。

 

打ち合わせの段階では、アイデアやイメージがさまざまに展開していき、つくり手の皆さんの頭のなか、

創作のはしっこを見せていただけたようで、どの場面でも、心躍る瞬間の連続でした。

 

そして選ばれた「ことば」に呼応しながら、内容が深められていく様子は、まさに「ことばをあじわう」そのものでした。

 

A-B-Cと3つの企画それぞれ、お互いがどのような内容ですすんでいるのかは、あえて伏せていましたが、

不思議と、どの企画も、自然や循環、記憶などのキーワードが見え隠れする会となりました。

 

今回、ご参加頂いたお客様には、注文の多い会にご協力いただき誠にありがとうございました。

つかの間の時間でしたが、日常と違う時間軸を経験し、あじわい、記憶することを楽しんでいただけたのであれば、とても嬉しく思います。

 

せっかくですので、ここでは、お菓子や、選ばれた「ことば」や しつらい なども含めて、ご紹介させていただきます。

 

 

企画|外畑有満子

 

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A ある詩のけしき 

B こぼれおちるばかりの欠片を繋ぐ

C 月夜の浜辺・ラムネ教室

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|ある詩のけしき|    2018 . 3 . 21

 

浅岡千里 × coffee Kajita 梶田智美

 

 

【 ことば 】

 

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The leaf becomes a flower when it loves.

The flower becomes a fruit when it worships.

 

草の葉は 愛すると 花となる

花は 慕わしく思い 果実をなす

 

Quote by Rabindranath Tagore

From his book " Stray Birds "

 

 

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「 詩の本の上に降り立ったとしたら まず目にするのは何だろう 」

 

「 ましろに幾重にも重なる紙たち、白い空間にぼんやりと立ちあがる詩 」

 

(白の部屋)

白い紙の上には様々な書体によって、冒頭のタゴールの詩が描かれています。テーブルを覆う紙にも、幾重にも重ねられた薄紙にも。参加者が着席した横では、カリグラファーの浅岡千里さんの手から次々と詩が紡ぎ出されていきます。静かな空間のなかで、紙の上に文字を書き付けるペンの音が響いています。

詩は少しずつ部屋の中を満たしていき、外とを隔てているガラス窓にも描かれ、すべてが一体となっていきます。

 

白の部屋では、コーヒーカジタの梶田智美さんによる白いデザートを、白い器のしつらいとともにあじわいます。

デザートは、すべて正方形のかたち、情報はなく、一口ずつ口にするたびに、味覚で探っていきます。

....ソイミルク(楓樹液)、フレンチトースト(蜜柑果汁)、チーズケーキ(柑橘皮)、ガトー•アンビジブル(林檎層)...

 

 

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「 黒いインクで書かれた その詩のなかに身を浸す 」

 

(黒の部屋)

黒によって彩られたテーブルや仕切りには、黒のインクで描かれた詩がちりばめられています。文字と呼応するかのような、植物の曲線。

焦点があっていくように、見えていなかったけしきが... 詩の世界が立ち上がり姿をあらわしていきます。

黒の世界に、デザートの赤の実がいのちのように灯される。

...最後のデザートは、クレームブリュレ(苺果実)とコーヒー(越日於比亜)...

 

 

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ある詩のけしき

 

なにげなく開いた頁で ある詩と出会う ふわりと揺蕩う言葉

その実は かっては花であり 葉であり 種であったのだと ふいに気づかされる 

知っているのに 見えていないけしき ある詩と出会い そのけしきへと誘われる

 

ことば:浅岡千里

 

 

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|こぼれるばかりの欠片を繋ぐ|    2018 . 3 . 25

 

カトウユカリ × bonnieux ( ボニュ)

 

 

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【第一部】仄暗い部屋の中、じっと佇む。

 

照明を落とし、暗いなかから、旅ははじまります。どこからともなく、鳥の声が聞こえる... テーブルの上にある黒い箱。言われるままに箱の蓋を開け、中にある燐寸箱をそっと取り出します。 その中には、このことばが....自分の内側への小さな旅のはじまりです。

 

 

「 洋墨瓶を倒した闇、瞼の裏に流れ込む。 あなたが本当に見たいものは、何? 」

 

 

燐寸に灯された炎を、静かな息で吹き消し、音叉の音とともに茶会がスタートします。 

ことば、しつらいはともに、カトウユカリさん。デザートは、bonnieuxさん。

甘い香りの香が焚かれるなかで、焙煎したマダガスカル産のカカオを砕いてつくられた漆黒のカカオの水、カカワトルが配られます。

 

 

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【第二部】次第に目が慣れ、ぼんやりと見えたもの。

 

テーブルの上に、置かれていく封筒。その中に入っている紙には、またことばが....

 

 

「 手を伸ばし、雲綿をつかむ。 

  緑のソプラノの欠片、掌から瞬く間に零れ落ちる。 

  甘い芳香の欠片、幻ではなく、確かにそこに。

  煌くように砕け散る欠片、ほおばる、sari  sari  と。  」

 

 

ちりばめられた欠片をひとつずつ拾い集めながら、ゆっくりとあじわいっていきます。黒い箱のなかにある、鉱物や植物のかけら、紙片などを眺めます。

レモンシュガーに隠れたユーカリのギモーヴを指で探し、薄い結晶を纏ったパートドフリュイのジュレー金木犀と蜂蜜ー、ヘーゼルナッツのキャラメリゼ。小さなガラス箱の中には、薬包紙(スモークソルトとホ—リーバジル)と カプセル(マリーゴールドの花びらとフランボワーズプリゼ)が用意され、欠片たちにかけて味の変化を楽しみます。

 

 

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【第三部】欠片を繋いだものは旋律に。

 

箱の中にある丸まった羊皮紙を取り出し、最後のことばを... 

手渡された透明の石•カルサイトを、ことばの上に重ねて読みときます。カルサイトを通して見えてくる世界はすべて二重に見えています。

そして、ばらばらに分解されていた欠片は、また繋がり、ひとつになります。

 

最後のデザート、白いカカオのムースと、本日のガトー「植物の恵み」です。

植物の恵みは、蜂蜜のムース、カモマイルとアプリコットのクレムー、ヘーゼルナッツのダックワーズの重なり。

 

 

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洋墨は雫となり杯に滴る、呑み干し飛び立つ 草の匂いを纒いし、鳥。

ほどけた記憶、掌からこぼれる。

sari  sari と脆く儚い欠片をほおばる。

光の天蓋、居心地のよい庭、飛び回るミツバチの翅音、ささやく植物たちの宴。

それらは連なり舌先ではじけ、溶ける。

残ったのは鳴き声、鐘の音は木霊する。

変光式のプリズム、微睡は突然。

螺旋の旋律はかっての記憶か、それとも羊の夢か。

 

 

ことば:カトウユカリ

 

 

 

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|月夜の浜辺・ラムネ教室|    2018 . 4 . 1

 

なの × 石原ゆきえ

 

 

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【ことば】

 

月夜の浜辺  

中原中也/在りし日の歌

 

 

この中原中也の詩をモチーフに、そこからイメージされる貝殻やボタンなどの型をつかって、ラムネをつくるワークショップです。

オリジナルの陶器の型は、陶器作家の石原ゆきえさんに制作していただき、和菓子作家のなのさんにラムネのつくり方を教わります。

 

まず詩のカードをお配りして、少しの間、その詩と向き合い、情景や作者の気持ちなどに思いを馳せてもらう時間を用意しました。詩の余韻を残しつつ、ラムネの作業に入っていきます。材料を混ぜたラムネの粉に水を入れ湿らせたものを、ボタンの型にしっかりつめて、1つ1つ型抜きしていきます。春の桜の時期だったので、サクラの木型もご用意していただきました。またブルーベリーなどのフレーバーの粉もプラスして、各自、オリジナルラムネができあがっていきます。

 

 

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ラムネを制作した後は、なのさんの和菓子をいただくお茶の時間です。

この日はちょうど、十六夜。お菓子も、月をイメージしたものをご用意してくれました。

 

月のかけらをイメージした小さな琥珀糖と、月に見立てた丸い生菓子「十六夜」は、ガラスでできた重箱の中に。

うっとりと眺めてしまう美しさに、取り分けていく間にも静かな歓声があがります。

 

 

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月夜の生菓子ー「十六夜」/黄身餡と桜のほのかな香りのういろう製

月のかけらの琥珀糖/桜の花と葉で香りをつけた鉱物のような琥珀糖

月の香りのミルク羹/桂の葉の甘い香りの冷たいミルク羹と乙女椿の花びらジャム

 

 

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月夜のしつらい

 

再び「月夜の浜辺」の詩をあじわいながら、十六夜の月を愛で、月のかけらやボタンのラムネをいただきます。

月には桂の木がある という伝説があり、月の香りとして、桂の葉の甘い香りをうつした冷たいミルク羹。上に添えられたのは、乙女椿の花びらのジャム。

ピンクの椿の色と抹茶の色が、月夜にとても映えます。

 

つくったラムネと、ボタン型はお持ち帰りいただき、添えられたレシピを元に、また復習しながらつくることができます。

皆さん、真剣に、でも楽しみながらラムネづくりをしていただきました。

 

 

 

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以上が、ことばをあじわう vol.1  でした。

 

今後も、この あじわう シリーズを何かのかたちで続けていければと思っていますので、どうぞご期待ください。

 

 

| 展示 | - | 00:21 |

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